2015/03/27

おにぎらず





















最近巷で話題の「おにぎらず」。

にぎらないおにぎり(?)

おにぎり好きとしては気になって、作り方を見て作ってみました。
作り方ってほどの大袈裟なものではないけれど、海苔(全型)の
上にご飯をのせて、具をはさみ、その上にまたご飯をのせて
海苔で包み込むようにし、ラップでくるむ。

今回は炊き込みご飯を作っていたので、挟まずにご飯を包みました。

……

ん~、やっぱりにぎりたいね!

韓国では料理上手のことを、「手が美味しい」というような表現を
するらしいです。

料理上手なかたが、手で混ぜ物をしたりするのを見て、それだけで
美味しそう~と感じます。

そう、手から美味しいエキスが出ているのです。

ラーメン丼を運ぶ時に親指が入る、あれですよ。

え?違う?

おにぎりは、手でにぎって、かぶりついた時にふうわりと米がほどける、
そしていい塩梅の塩と、具があったらそれはそれなりに、海苔の香り
などとともに、にぎった人の手の温もりが感じられるのがよいのです。

「おむすび」と言うこともありますね。

でも、私は「おにぎり」という響きがすきなのです。
手で、作っていこう。


2015/03/21

もほう









左が見本で
右が素焼き
前の制作し
た写真です



もほーーーーー!!

「模倣」のお話。

陶芸教室の生徒さんから、急須の蓋だけ割れてしまって、同じものを
作って欲しいとのご依頼をいただいて早半年。

蓋だけ作ればよかったのかしら?それとも全部?

それさえ忘れてしまうくらい月日が経ってしまい、この度やっとのことで
制作を始めました。

なぜ、こんなにも時間が掛かってしまったか。

これまでにいただいたご注文は、
「サイズはこのくらいで、こういう用途で使いたい。
 デザインはお任せ」というものでした。

もしくは、私の作った器を追加でご注文。

「お任せ」は、ご注文くださったかたが使いやすいように、気にっていた
だけるように、どういうデザインにしようと考えたりして、とっても楽しく、
わくわくして、すぐにでも手を、心を動かしたくなるのです。

「追加のご注文」は、自分で思うままに作ったものの追加なので、
割と心は軽いです。

しかーーし!

他の人が作ったものを、全く同じように再現する。「模倣」は、今まで
ご依頼もなかったし、今回ご依頼をいただいて今日まで心も身体も動か
ないものでした。
ゴメンナサイ。

それでも、あまりにもお待たせするのも申し訳ないので、春の兆しとともに
少し心の軽くなったこの時に、一念発起で制作に取り組み始めました。
(もっと早くにしないさいよ)


そして、今回作ってみて感じたことは、もとの急須を作った人、多分作家では
なく、職人であろう(銘が無かったから)その人は、手練れじゃのぅ、という
ことです。

いとも簡単にちょちょっと作ったかに見えるけれど、実際作ってみたら
なかなか大変でしたよ。



















注ぎ口のこの溝は重要なところですが、もー、泣きたくなりました。
もとの急須の溝は、迷いなく、よい深さと幅で掘られていました。

焼きあがるまでは試すことの出来ないのでどうなることか…。

それでも、作っている時にもとの作者のことを思い、その技に
感動したり、人となりを想像したり、作る前には分からなかった楽しさが
ありました。

陶芸だけでなく、工芸でも、絵画でも、昔の名品の模倣をするという
ことがありますが、技の上達にはよい訓練になるのだなぁと思いました。


「模倣品」でお金儲けは、ダメですけどね。


2015/03/17

たろう

























青山にある、岡本太郎記念館に行ってきました。

岡本太郎さんのことが好きで、ことあるごとにこの場所を訪れています。
今回は久しぶり~。
太郎さんが生前暮らしていた自宅、アトリエの一部をギャラリーと
して公開し、太郎さんの作品などを展示しています。

写真撮影もできるので、ばしばし撮ってきました。
















アトリエは、太郎さんが使っていたそのままに保存されていて、
この前に立つといつもエネルギーを感じて、太郎さんの声が
聴こえてきます。

「芸術は、爆発だーーー!!」

ほんとは、紳士で、優しくて、繊細な人だったのですって。
会いたかったなぁ。







「愛」という作品
 
 
 
 
「坐ることを拒否する椅子」
 
勿論、毎回座りますが、お尻に違和感ありまくり。
楽し~。
 
 
 
太郎さん、いい目をしてますなぁ。
 
 
お庭も見学できて、彫刻作品に触れたり、バナナの木を眺めたり。
 
ずーーーっと居たくなります。
 
エネルギー充填!作るぞーい。
 
太郎さんありがとう。
 
 
 
 

2015/03/15

こひき















酒呑みなので、塩っ辛いものが好き。

自分のために甘いものを買うことは殆どないのですが、いただきものは
ありがたく食します。

友人からいただいたお菓子。
ケーキのように見えますけれど。



















手のひらサイズのチョコレートのお菓子。
苺はフリーズドライになってます。

器は5~6年前に作っていたシリーズの「粉引豆皿」。

「粉引(こひき)」は根強い人気のある器です。
李氏朝鮮の時代の技法が伝わったもので、白い磁器に憧れて、
赤土に白い土を溶かしたものを掛けて焼いたもの。
「粉吹(こふき)」とも言ったりしますが、「粉を引いた(吹いた)ように
白い」ということが名前の由来らしいです。

使うほどに味わいが出て、育っていく器です。

また作ってみようかなー。





2015/03/12

ふたもの
















久しぶりに「蓋物」制作中。

なかなか難儀なものじゃのぅ。
蓋と本体がぴたっと合うと気持ち良し。

お客さまにお出しする湯呑にしていただいたり、茶碗蒸しもできるし、
梅干し入れたり、用途は色々あります。

写真は素焼き前の生の状態です。
「焼きが命!」

なので、まだまだ気が抜けませぬ。




「焼きが命」と言えば、餃子もそうですね。(突然ですが)

年に何度か、我が家で餃子宴会をしています。
それぞれ美味しいものを持ち寄ってくれて、餃子をメインによく食べ、
よく呑み、よく笑います。
小さな部屋に友人たちが集まって、私が作った餃子をもりもり食べてくれる
姿を見ると、なんとも幸せな気持ちになります。

そして、鉄のフライパンで皮はぱりっと、中はじゅーしー、といった具合に
焼けると思わずガッツポーズをしてしまいます。
焼いている間は「焼きが命!焼きが命!」と叫びつつ、誰もわしに話かける
でない!と自分の世界に入っておりますが、ふとみなを見ると、私なぞ関係
なく、にこにこと談笑しているのであります。

いい光景だなぁ。

この間は、焼きが甘かったので、包んでいる写真だけでお許しを。
















また、焼きますよ。



2015/03/06

かたくち

















沖縄個展の時に、片口と酒器のセットを気に入ってくださって、
ご注文をいただいたものが出来上がり、先月沖縄へ旅立って
いきました。

ご注文いただいたのは女性で、片口は「手が小さいので、もう
少し小さくして持ち易く」 というご要望でした。

もともと1合用なので、小さくしすぎるとあまり量が入らなくなって
しまうな~と思い、ボディをへこませることで持ち易くすることも
取り入れてみました。  …私のボディもへこませたいものよ。

黒いところは釉薬を掛けず、焼き締めにしています。
滑りにくく、さらに持ち易いかと。

お酒を呑むひと時が、楽しくなって下さったら嬉しいな。



2015/03/02

よるのうめ



















とらやの羊羹に「夜の梅」というものがあって、羊羹の切り口の
小豆の粒が、夜の闇にほの白く浮かぶ梅の花のようだという
ことで、名付けられたそう。


梅の季節から、桜の季節に移ろうとしています。

暖かくなってきて、夜の道をぶらりと散歩。闇の中には色々な香りが
潜んでいます。

土の香り

草の香り

梅の香り


春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やは隠るる
(『古今集』)

(春の夜の闇は意味がない 梅の花の色が見えなくなってしまう
 けれども香りは隠れようもない)



未だ花粉には鈍感で胸をなでおろし。

もう3月。 まだ3月。 されど3月。