2017/06/30

ゆうがけ





以前お越しいただいた、陶芸体験の作品を素焼きをすることができたので、
釉掛け三昧!


奥の器は釉薬を掛けた状態です。
一番手前の器が釉薬を掛ける前の素焼きの器。



そして、この赤い液体(いらぼ釉)を掛けます。




この色のものが、焼きあがると







こうなる(はず!)










こんな風に、釉薬を重ね掛けしたいとのご要望にも、なるべく
お応えします。
こちらは、黒天目釉を掛けた上にチタンマットを重ね掛けしました。



これはどんな風に焼きあがると言うと…








この予定!



釉薬を掛けて終わり~ではなく、まだまだ釉処理という
作業があるのです。

これがまた、手間がかかる作業で、焼き上がりを左右する大切な
仕事であります。


それもまた、楽し。




2017/06/25

ばしょうふ2




と、いうことで、芭蕉布の続きです。


会館の2階が工房になっているのですが、

実際に職人の方たちが日々作業しているので、おじゃまにならない

ように、静かに見学させていただきました。


機を織る。


その静かな動きと音に耳を澄ませていた時、ふと工房の隅を見ると、

平良敏子さんが苧績み(ウーウミ)※ をされていました。

お声を掛けたい気持ちもあったけど、緊張するし、じゃましたくないしで、

その手先の動きをじっと見つめていました。

案の定、「苧績み」はベテランの技が要求される工程で、なかなか後継者が

育たないようです。

96歳になられる現在でもその作業をしている姿は、ぐっときました。





冒頭の木片は、芭蕉から採れた繊維を柔らかくしたり、


織りあがった反物の色を落ち着かせるために使う、灰汁のために

使います。

木を燃やした灰は、水に浸けるとアルカリ成分が出てきます。

それを芭蕉布では使うのですが、焼き物では、木の灰を釉薬に

使う時は、アルカリがぶくを起こしたり、色を変えたりするので

取り除く成分であるのです。

芭蕉布を作る工程では、灰汁が必要で、灰は必要でない。



「捨てる神あれば拾う神あり」




無駄なものは一つも無くて、何かしら、役に立つのだな~

なんて思ったやんばる路でした。









※ 苧(うー)は糸芭蕉の繊維のことで、「苧績み」は色々な工程を経たのち、
   糸をつないでいくこと。均一に績まれていないと、反物にムラが出来て
   しまう。芭蕉布の工程では、一番時間がかかる









2017/06/24

ばしょうふ





高橋治さんの「星の衣」 という小説を読んでから、私は

沖縄の織物の世界にとても惹かれて、その一つの

「芭蕉布」 を作る工程が見られるという、大宜味村にある

「芭蕉布会館」 に行ってみたかったのです。


少し前になりますが、雨 (尋常じゃない雨!)の中、連れて行って

もらいました。 ありがとうございます!




「星の衣」 の中で、実名で登場していた 平良敏子さんは、

戦後、途絶えかけていた芭蕉布を復興して、今に繋げている人で、

人間国宝に指定されています。

平良敏子さんが、戦中に女子挺身隊として本土へ行っていた時に、

岡山県倉敷市の紡績会社に勤めました。

その紡績会社の社長が大原総一郎氏で、「大原美術館」の創設者でも

ある大原孫三郎氏の息子です。

大原社長は、柳宗悦が提唱した「民藝運動」にも熱心に参加していて、

会社の資金を使って、敏子さんたち女性に織物を学ぶ機会を

作って、外部から講師を雇って教えていきました。

戦争が終わり、沖縄へ帰る時に、大原社長や、民藝運動家の

外村吉之助氏の 「沖縄の織物を守り育ててほしいなぁ」

という言葉に、平良敏子さんは真摯に答えて、今日まで芭蕉布を

紡ぎ続けています。


と、長くなってきたのでまた次回に…。










































芭蕉布を三線のチーガ(胴)に張っているもの。
どんな音がするのかな。









2017/06/19

よろこび






壺屋焼窯元 育陶園 の6代目当主 高江洲忠さんの 作陶展。


忠さんが、今まで土とどうやって向かい合ってきたか伝わる
作品たち。


電動ろくろで挽きあげた、花器ロケット。




左のものがそうですが、これは3つに分かれて、それぞれ花器として使えます。





忠さんは鈴木五郎さんの元で、作陶していたことがあって、
五郎さんのろくろ挽きの躍動感を取り入れて、さらに忠さんの
チャーミングな部分が出ていて、観ているとニコニコと心が笑顔に
なります。



ろくろで作ったシーサー。

胴体、指などをろくろで挽いて、くっつけていったそうです。

顔がいいなぁ。






















































































他にも遊び心に満ちた作品がたくさんありました。



会場では、忠さんが実演をしています。









































水盤に龍を飛ばせているところ。右下の粘土は顔になります。

楽しそうに、色々お話ししてくれながら、粘土を自由自在に操って

いきます。


作る喜び


元気をたくさんいただきました。

ありがとうございます!!





2017/06/06

しかわたり





「鹿渡り」


アートスペース 繭  で開催中の

白石ちえこさんの写真展に行ってきました。


ちえこさんが、北海道で偶然に見たという、

鹿の群れが凍った湖の上を渡っていく姿。

それから4年をかけて、鹿を追いかけながら根室~標津を

旅して映してきた風景。


鹿がじっとこちらを見ている写真や、トンビが空を舞う姿、

静かな雪の積もる大地など、モノクロームの写真の向こうに

見える別の景色に心惹かれます。

ちえこさんの見る景色がいつも私は好きで、鹿のことも

好きになってしまいます。


6月10日(土)まで開催中ですので、是非ご覧ください!





2017/06/03

かまだし





陶芸教室の、生徒さんの作品が焼き上がりました!

窯出しはいつでもわくわく、どきどき。



上の写真は、リサ・ラーソンの作品の写しで、ろうそく立て。

よい雰囲気が出ました!







こちらは釉薬を掛け分けて、模様を搔き落としたモダンな作品。










夏に向かって、涼しげな色を使った作品が多いです。

景色が目に浮かんでくるようです。
お孫さんや、曾孫さんがいる生徒さんが、リクエストに応えて
制作されたタタラの長皿。










こちらは光沢トルコ釉薬をたっぷり二度掛けして、濃いブルーを
出しました。
娘さんからのリクエスト。


注文をいただいて作ることは、上達の一つの方法です。
その人を想って心を込めて丁寧に作る。








こちらの土瓶は、昨年の4月に入会してくれた生徒さんの作品です。
全くの初心者から、約一年かけて色々な課題をこなしてきて、
最後の課題が土瓶なのですが、よくできました!
取っ手はアケビの蔓を、ご自分で巻いて完成させてもらいます。
素敵!




まだまだ素敵な作品が出来上がっていますよ~。

教室に見に来てくださいね。