第160回直木賞を受賞した真藤順丈氏の「宝島」
1952年から1972年の、アメリカの統治下に置かれた沖縄で、
米軍施設の物資を奪って生活の糧としていた「戦果アギヤー」(戦果をあげる者)の
若者たちを中心とした、史実を交えつつの物語。
作者は東京出身の人で、沖縄の人間ではない自分が書くということの
葛藤を繰り返し、7年の歳月をかけて書き上げました。
沖縄の問題というのは現代日本のいちばん複雑な問題で、その腫れ物に
触るような扱いをするというのが潜在的な差別感情のようなことが起きている
のではないかと、作者は言っています。
辺野古への基地移設の件も、対岸の火事ではないのです。
真藤さんが伝えたいことは、この世の問題に対して「逃げないで」
ということだと思います。
何ができるかと考えて、できることで行動して、伝えるということを
あきらめないで、ということです。
「しかたがない」とあきらめないで考えることです。
~安倍政権と「本土」の人々が一緒になって沖縄を差別し、犠牲にしているのが
沖縄の「本土復帰」から47年になろうとしている現在の日本だ。~
「宝島」を紹介する文章の中にあった一部です。
沖縄も、福島も、岩手も宮城も北海道も九州も、日本のすみずみまで、
政治の犠牲になってはいけないと思います。
「さあ、起きらんね。そろそろほんとうに生きるときがきた」
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