2022/09/19

くさび

 





久しぶりの再訪、「佐喜眞美術館」へ行ってきました。


内田あぐりさんの個展が始まっていて、この日はちょうどトークイベントが

行われるようで、ご本人もいらしていましたが、私たちは時間の都合がつかず、

作品を拝見だけさせてもらいました。

沖縄の久高島などを訪れて、感じたものを表した作品を、まずは

沖縄の人々に見て欲しいという思いがあるそうです。


そして、常設の丸木位里・丸木俊夫妻の描いた「沖縄戦の図」

こちらは何度見ても胸に迫るものがあります。

4×8.5mに及ぶ画面からは、鬼気迫る人々の叫び、怒り、悲しみが

見る者の足を竦ませる。


「恥ずかしめを受けぬ前に死ね

 手りゅうだんを下さい

 鎌で鋤でカミソリでやれ

 親は子を夫は妻を

 若ものはとしよりを

 エメラルドの海は紅に

 集団自決とは

 手を下さない虐殺である」



絵の左隅に描き込まれた二人の言葉。





建物を出て外階段を上ると、6段と23段に分けられた階段があります。


そして、前方の四角の穴からは、6月23日の沖縄慰霊の日の夕日が差し込むように

造られています。


















台風が過ぎ、吹き返しの風の強い中屋上へ登り、柵に囲まれた

米軍の基地を見降ろします。






















広大な、豊かな緑の地が、戦のための基地の中に囚われています。























この理不尽さにどう向かって行ったらいいのでしょう。




佐喜眞美術館は、そんな普天間基地に楔を打つような形で建てられています。
























上から見るとこんな感じで、柵の向こうにはお墓が見えます。




大地も空も海も誰のものでもないけれど、せめて土地を持っていると

自覚するならば、世のため人のために平和のために使って欲しい。



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