2014/05/30

かんじろう

















京都出張へ行ってきました。
仕事が終わって時間があったので、
「河井寛次郎記念館」  を久しぶりに訪ねてみました。

五条坂を上がっていくと、陶器の神様がおわします。

お参りして、窯焚きの成功を願います。

そこから記念館までは徒歩で5分くらい。…だったかな。

河井寛次郎が生前家族とともにくらし、作品を作った家がそのまま
開放され、見学ができます。






















家族との団欒を楽しんだ囲炉裏端























制作していた工房。
足で蹴って回す「蹴りろくろ」


 
 
登り窯も見学できます。
 
窯の中には鞘(さや:中に作品を入れて焼く)が残っていて、
河井寛次郎が主に使っていた2番目の部屋には、「カワイ」と
名前が入っている棚板がありました。
こちらの窯は、何人かで共同使用していたようです。
 

河井寛次郎は文章や詩を書くことにも長けていました。
この机で中庭を見ながら、文章を考えたりしていたのでしょうか。
 
静かで、緑が美しく、寛次郎が設計した家、デザインした家具、
作品に囲まれてのーーーんびりとできました。
河井寛次郎の声が聞こえてきそうな、そんな空間です。
 

 
 
 
 
 
 

2014/05/21

ろくろ

























ご注文の器を水挽き(ろくろで成形すること)しました。
深さ5㎝くらいの鉢です。

土は乾燥して収縮して、さらに焼締まって収縮します。
収縮率はだいたい15%~17%くらいなので、最初に
出来上がりの寸法を決めて、その後計算して作る時の
寸法を決めます。

こちらは焼き上がりの寸法が

径 21cm × 深さ 5cm 

とのご希望だったので、

径 24cm × 深さ 5.8cm
(21×1.15=24.15 で、小数点以下は四捨五入したり、
切り捨てたり、使う粘土や水分の含み具合などで適当に決め
ています。良い加減)

で水挽きしました。

もうすぐ窯焚きの時期がやってきますので、追い込みをかけて
作っています。
今度の窯焚きも、無事に焼き上がりますように。



2014/05/19

ばら















薔薇の垣根。
バラが今こそ、今こそ、と咲いています。

ぽてぽて歩いていると、たくさんの薔薇に出会います。















色々なバラがあるんだなぁ。

















夜中の薔薇。

「わらべはみぃ~た~り~野なかのば~ら~♪」

という歌の「野なか」のところを、「夜中」と聴き間違えていたのは、
私だけではなかった。
向田邦子さんのエッセイ「夜中の薔薇」を読んで、私も!私も!と
思ったものだ。















百万本のバラの花か~。
1輪の薔薇もばらはバラ。


2014/05/13

むし



















荒井 アトリエ・ギャラリー  で開催中の
I N S E C T S ・ 蟲 展 」に行ってきました。

金工作家の光本岳士さん よりご案内いただいて、
光本さんの作品はもちろんのこと、他の作家の方々の作品も楽しみに
していました。
なんてったって、「虫」がテーマなんて、面白い企画ではありませんか。
虫が好きかと問われれば…。
みんな生きているんだ友達なんだ♪
って言われても中には受け付けられない虫も居ます。
しかし、今回の展覧会の「蟲」は、動かないのでよし。


光本さんの鈴虫の風鈴。





















本当に美しい音色です。





作家の方々それぞれの、虫に対する距離感などが垣間見られて
楽しかったです。
作品の一部をご紹介します。

金子透さん:作

金属のカブトムシ。
表面は銀を塗ってあって、シブい質感です。
動きだしそう…。














征矢剛さん:作


こちらは アンプです。虫たちの身体の一部が楽器になっていますね。

他にも楽しい「虫」たちがたくさん居ました。
 
洗足駅から徒歩5分、住宅街の中にひっそりたたずむ、素敵な
ギャラリーです。
オーナーの荒井さんもジュエリー作家だそうです。
 
5月22日(木)まで開催中!



2014/05/11

たたら















たたららったら~。

写真は「タタラ板」と呼ばれているもので、陶芸の道具です。
左から、3mm、5mm、7mmの厚さです。

粘土を練って、叩いて伸ばしたものをこのタタラ板で挟んで、糸で
切ります。















7mmの板状の粘土ができました。
















これを型に合わせて切って、組み立てていきます。















このような作り方を「タタラ作り」と言います。

こちらは、沖縄の海人玉栄さん からご注文いただいている、
醤油皿の試作品です。
ご希望を聞いて、これがうまく出来たら自分でも使いたいと
思うようなアイデアをいただきました。
四角い器を作る時は、ろくろでは挽けないのでタタラ作りを
したり、型で作ったりします。

組み立てて、まだ細工をするので、完成の日の目を見られたら
またご紹介します。

試行錯誤もまた、楽し。

もう少し、お待ちくださいませ!



2014/05/06

とざん
















久しぶりに登山、しました。
神奈川県、丹沢山地の南部にそびえる、標高1,273mの
鍋割山です。
鍋割山は2度目の登山です。
山頂で「鍋焼きうどん」をいただけるということで人気の山です。
前回の登山で連れて行ってもらった友人たちと一緒に食べた
時の美味しさ、山頂の美しさをもう一度、ということで、今回
一緒に登山する相棒にリクエストしました。

新緑が本当にきれいで、空気が緑に満ちて濃厚でした。


すみれが可憐に咲いていたり。
















山桜も凛として咲いていました。















自然の造形を楽しんだり。














黄金週間ということで山頂にはたくさんの人が居て、お目当ての
鍋焼きうどんは1時間半待ちと言われ断念し、持参のおむすび
などでお腹を満たしました。
山頂からは富士山も見られて(写真を撮り忘れた)、広がる景色に
心が鳥になって飛んでゆきました。

起伏に富んだコースで、帰り道は足の筋が痛んできて、瀕死の状態で
したが、無事に帰られて感謝です。
日頃の運動不足を実感しました~。
















山のエネルギーをいただいてきました。
ありがとう!!


2014/05/05

ちょうぜつ















三井記念美術館 で開催中の
「超絶技巧! 明治工芸の粋」 展を観に行ってきました。

幕末~明治にかけて制作された工芸品は、その多くが海外輸出用の
商品であったため、日本ではその全貌を目にする機会がほとんど
ありませんでした。



















タケノコ、梅

安藤緑山:作



これ、象牙を彫って彩色したんですってよ…。
近くで見ましたが、タケノコの皮の産毛まで表現してあるっっ!
どう見てもタケノコにしか見えない。
葉書を写真に撮ったので、この凄さの100万分の1も伝わらない
かも知れませんが、他にも鼻血が出そうなくらいの精緻きわまり
ない作品が出展されていました。






















古瓦鳩香炉(部分)

正阿弥勝義:作


こちらは金工作品ですが、鳩にニラまれた瞬間のわずかに
身をにじらせている蜘蛛の様子が表現されているのですよーーー!
絶句。
見えます?画面中ほどの小さな蜘蛛。
実物の蜘蛛は、1cmくらいでした。
「香炉」なので、鳩を含めた瓦の上部の一部がぱかーっと開き、
蓋となります。






















組輪文京薩摩茶碗(部分)

司山:作


こちらはお茶碗です。直径は10㎝くらいでしたでしょうか。
その小さな茶碗の内部に、びっっっっっしりと、絵付けされています。
勿論、外側にもありますが、内側に絵付けをする方が難易度が高い
ことを経験上知っているので、もう、口をあんぐり開けたまましばし
放心状態。
一緒に行った高校時代の友人も、目が点になっていました。

その他にも、刺繍絵画やら、漆工、七宝の作品がたくさん展示されて
いて、昔の日本人の凄さを目の当たりにしました。

上記のものは作者が判明しているものですが、多くは無銘のもので、
名も無き職人たちが黙々と作ったものだと思うと、はは~っと平伏し
たい気持ちになります。
精進!…あまりにも遠いけれど。

7月13日(日)までの開催です。