2017/06/25

ばしょうふ2




と、いうことで、芭蕉布の続きです。


会館の2階が工房になっているのですが、

実際に職人の方たちが日々作業しているので、おじゃまにならない

ように、静かに見学させていただきました。


機を織る。


その静かな動きと音に耳を澄ませていた時、ふと工房の隅を見ると、

平良敏子さんが苧績み(ウーウミ)※ をされていました。

お声を掛けたい気持ちもあったけど、緊張するし、じゃましたくないしで、

その手先の動きをじっと見つめていました。

案の定、「苧績み」はベテランの技が要求される工程で、なかなか後継者が

育たないようです。

96歳になられる現在でもその作業をしている姿は、ぐっときました。





冒頭の木片は、芭蕉から採れた繊維を柔らかくしたり、


織りあがった反物の色を落ち着かせるために使う、灰汁のために

使います。

木を燃やした灰は、水に浸けるとアルカリ成分が出てきます。

それを芭蕉布では使うのですが、焼き物では、木の灰を釉薬に

使う時は、アルカリがぶくを起こしたり、色を変えたりするので

取り除く成分であるのです。

芭蕉布を作る工程では、灰汁が必要で、灰は必要でない。



「捨てる神あれば拾う神あり」




無駄なものは一つも無くて、何かしら、役に立つのだな~

なんて思ったやんばる路でした。









※ 苧(うー)は糸芭蕉の繊維のことで、「苧績み」は色々な工程を経たのち、
   糸をつないでいくこと。均一に績まれていないと、反物にムラが出来て
   しまう。芭蕉布の工程では、一番時間がかかる









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