2018/05/28

くりぬき





ろくろ成形でもなく、紐作りでも玉作でもなく、作りたい形を表すために、

「くり抜き」という技法で作ることもあります。


あんまり大きなものだと、くり抜くのが大変なのですが、比較的小さな

ものなら、思った形に近づける近道にもなります。




まずは塊で、形を作っていきます。(上の写真のものとは違いまする)






















それを半分に割って、中をくり抜いていきます。
























ざっくりと中を削っていきます。























まだ柔らかいので、今日はここまで。

もう少し乾燥させて、しっかり削っていきます。

そうして割った所を張り合わせて元の形に戻します。







半分に割られた形たち。


もとは一つだったんだよ。


いや、また戻るはずだけど。




この作り方もすっごく楽しいー!!

これらは花器として作っていますよ。









2018/05/22

ちゃこうろ








































茶香炉を作りました。


茶葉を大さじ1杯くらいのせて、ろうそくの火で温めます。

すると、お茶やさんで茶葉を煎っている時の、あの良い香りが

広がっていきます。


静岡では当たり前のこの香り、こちらではあまり感じることができず、

そういえば、お茶やさんがあまりないなぁと気が付きました。





















時々かき混ぜながら、焦げないように気を付けて、

香りを楽しんだらこの茶葉はほうじ茶としていただくことができます。



今年の秋に、静岡県の三島市で個展をする予定なので、

改良してその時に展示販売したいと考えていまーす。


あ~、本当によい香り。










2018/05/21

つる




知人の病気の平癒を祈って、千羽鶴を折っています。

私一人で千羽ではなく、周りの人たちで折っていますが、

今は時間のない人のために、完成した千羽鶴が販売されているそうです。

はて?


それでは本末転倒な気がします。


「祈り」を込めて自分の手で折ることが、千羽鶴なのではないかと思うのです。

祈りが込められたものというのは、もうただのモノではない。(え?怖い?)



「祈る」という言葉が重々しく感じるなら、なんという言葉に

置き換えられるのかなって考えていたけど、これという単語が思いつかない。



でも、器を作っている時、例えば注文をいただいた器なら、

注文をしてくれた人の笑顔を心に浮かべて作り、そうでなかったら、

いつかその器を使ってくれる未だ見ぬ人への想いを込めて作る。


ご飯を作る時も、食べてくれる人のことを思ったり、

自分一人のための食事を作る時も、野菜を切っている時に、

なんだか祈っているような気持になる時があり、

そう考えたら、生きることそのものが祈っていることと近くて、

毎日、丁寧に生きたいな~と思うのですが、忘れてしまう。


忘れるけれどこういう、鶴を折ったりしている時に想い出して、

なんだかこう、自分の深い所に潜っていくような感覚になるのです。



「折る」と「祈る」って字が似てるな~。


そうそう、だから折ることは祈ることなんだから、折るのです。

つるを。

鶴の折り方って、忘れないものですね。









2018/05/15

そらきゅう




先日の鹿児島旅で訪れた、薩摩焼の窯元「荒木窯」で購入した酒器です。


「そらきゅう」


と呼ばれるこの酒器は、主に鹿児島地方や九州南部、高知県などに

伝わっているものです。

「そら!」と注がれて「きゅーっ」と呑み干すから「そらきゅう」

と呼ばれるそうです。























そう、この器、底が尖っているので置いたら斜めになってしまいます。






















それもそうだけど、底に穴があいているのざます!





















あらまぁ、きれいに穴が開いていること。

器を置けないならまだしも、穴が開いているってことは、

注がれたお酒を呑み干すまで気が抜けないってことですよ。





















このように、指で穴をふさぎつつ、お酒を注がれたら

「きゅーーーっ」と呑み干さないといけません。



薩摩人や土佐人は、どんだけ酒に強いのじゃ。



ワタクシはお酒はゆっくりいただきたいので、

この「そらきゅう」は観賞用にしましょう。




なーんて、早速試してみて楽しくなっているところです。うひひ。





2018/05/08

かごしま 3

3日目の桜島




楽しい旅も、始まってしまうとあっという間です。

もう帰る日になってしまいました。

3日目は島津家の別邸「仙厳園」を訪れました。






御殿の中にも入ることができます。


桜島を築山に、錦江湾を池に見立てた庭なんて・・・

なんて壮大な庭なのじゃ!


とにかく広々としていて、緑もいっぱいで、とても気持ちのよい庭でした。


みなそれぞれ思い思いに庭を散策します。



示現流の実演もしていました。

























きええぇええええええーーーーーー!!


という気合のもと、ガンガンと打っていきます。




尚古集成館は、慶応元年(1865年)竣工した、現存する日本最古の

石造りの洋式機械工場です。

今は、島津家800年の歴史や文化を紹介する博物館になっています。







島津斉彬時代に始められた、薩摩切子の工房も敷地内にあります。

西南戦争の時に途絶えましたが、1985年に島津興行が復元させたそうです。






まずは素地作りの工房です。吹きガラスで形を作っていきます。

溶鉱炉の火が絶えず燃えています。


次はカットグラス(加工)の行程です。




















一度削ってしまったものは元に戻らないので、大変な集中力だと思います。























こちらでは、さらに細かい紋様の打ち合わせをされている様子です。




























そして、磨きの作業になります。

たくさんの行程を経て出来上がる薩摩切子は、高価ではありますが、

模様の美しさや、色の深さはとても魅力的でした。









さて、そうこうしているうちに、帰路に着く時間になってきました。

名残惜しい気持ちを抱きつつ、楽しい時間を明日からの日々の糧に変えて、

それぞれ元気に過ごしましょう。


また次の旅を楽しみにしています!


みなさん、本当にありがとうございました。





























2018/05/07

かごしま 2

2日目の桜島




2日目も快晴!

この日は朝から「美山」という、薩摩焼の窯元の集落へ向かいます。

陶芸教室の旅行会ですからっ。呑みに来ただけではありませんよ。



慶長3年(1598年)豊臣秀吉の二度目の朝鮮出征の、

帰国の際に連行された朝鮮人技術者たちが各地に散らばり、

焼き物などを糧として生活をしていきましたが、

ここ鹿児島でも各地に窯が築かれました。

そのうちの一つが美山で、今でも伝統的な薩摩焼を作り続けています。


そのうちの一件、「沈壽官窯」へまずはみなで訪れました。







工房では、職人の方々が作業をされています。

邪魔にならないように、外からの見学のみです。



























薩摩焼の精緻な絵付けをされています。ベテランの技!







みなさん、息を呑んで見つめています。さすが陶芸教室の生徒さん!



こちらは素地の成形をされています。

こういった窯元は成形と、絵付けの分業となっているところがほとんどです。




みなさん、「帰ったら透かし彫りをするぞー!」などと、刺激を受けたようです。よしよし。ふふ。



敷地内を歩いていくと、実際使われている登り窯も見学することができます。





薪となる赤松が整然と並べてあります。

灰が被らないように、右端の丸い鞘に入れて焼かれる器もあります。







登り窯の近くに、済州島の道祖神「トルハルバン」(石爺さんという意)が、

遠く故郷の方角を向いて鎮座していました。




ここにも石敢當がありました。



























              

あっ、ここにも石爺さん



正面玄関を入ってすぐのところには、韓国と日本の国旗が掲げられています。





美山には、12の窯元がありますが、沈壽官窯をじっくり見学しすぎて、私は

あと1件しか行かれなかった!

みなさんは、後はそれぞれ自由に見学してもらったので、何件も見学されていました。



もう1件は「荒木窯」



こちらは、親子でされている窯元です。

15代目の荒木秀樹さんがちょうどいらっしゃって、制作秘話などお話を

聞かせていただきました。





展示室には西郷どんの写真が飾られています。






買い物の順番を待つ女性たち。

それを呆れて見ている男性たち。

経済は女性が廻しているのだ!(?)



私も「そらきゅう」と呼ばれるぐい呑みを購入しました。

また後日ご紹介します。




お昼には美山を発って市街へと戻り、「西郷どん大河ドラマ館」と

「維新ふるさと館」を見学しました。





「維新ふるさと館」も見どころ満載で、1日中居たいくらいでした。

ホテルに帰ると、ロビーで西郷どんの生涯を紙芝居で紹介してくれる

イベントがあり、みなで見せていただきました。




紙芝居をしてくれた女性は、なんと神奈川県の横須賀から、西郷どんに

惚れぬいて、とうとう移住してこのホテルに勤めているということでした。





















熱のこもった語りで、涙を流している人もいました。私も感動しました。



いや~、盛沢山な1日でしたので、ひとっ風呂浴びて、

またもや薩摩焼酎がススム夜を過ごしました。(私だけ!?)


3日目につづく・・・




2018/05/06

かごしま

                      桜島                                              




2泊3日の、陶芸教室&茶道教室旅行会 vol.2

今回は鹿児島へ行ってまいりました。


幕末の歴史と薩摩焼を感じる旅。

今回は総勢17名の参加で、にぎやかに、和やかに、つつがなく過ごして参りました。


行かれなかった生徒さん達にも、ご報告を兼ねて3日間のあれこれをお伝えします。



まずは1日目から。




みなさんがそれぞれの家を出発する時は、風雨が強く吹き付けて、

どうなってしまうの?という感じでしたが、鹿児島空港に着くと、

快晴! 

みなさんの日頃の行いの成果ですね。(雨女としてはホッとしました)





17名ということで、移動が大変なので今回はマイクロバスを用意していただき、

みなでバスへ乗り込みます。

鹿児島空港から市内まで、高速道路に乗り約1時間。


ホテルにチェックインして、お昼ご飯をいただいてから、

徒歩でホテルの周辺を散策します。



ホテルの建つ城山という地域は、西南戦争で西郷さんたち薩摩軍が、

最後にたてこもり、西郷どんが亡くなった場所です。








































鹿児島には、西郷どんの銅像がいたるところにあります。






この洞窟は、西郷さんが最後の5日間を過ごした場所です。

右側の穴にいらっしたそうです。







山を下りつつ、史跡を見ていきます。

こちらのトンネルの上には西郷どんが大切にした言葉

「敬天愛人」(天を敬い 人を愛す)

という文字が刻まれています。なせここに?という理由は分からず。






西郷どんが、洞窟を出て山を下る途中で、腰に銃弾を受け

もう動けなくなり、「晋どん、もうここらでよか」と告げて、

別府晋介の介錯で自刃した終焉の地です。












終焉の地の撮影をするオーナー。
今回の旅の全てを取り仕切ってくれました。
ありがとうございます!
&おつかれ様でした!











街へ降りてきました。

鶴丸城跡の石垣です。西南戦争の時の銃弾や、砲弾の跡が残っています。


そして鶴丸城の跡地に建つ「黎明館」へ。






みなさん疲れていませんか~?結構歩いていますね。





鹿児島の歴史、考古、民族、美術、工芸などの展示がされています。

じっくり見ていると結構なボリュームで、あっという間に時間が過ぎます。



そうして1日目の行程は終わり、ホテルへ帰って温泉に入って汗を流し、

鹿児島の郷土料理と薩摩焼酎で夜は更けていくのでした。


2日目につづく・・・