久しぶりの再訪、「佐喜眞美術館」へ行ってきました。
内田あぐりさんの個展が始まっていて、この日はちょうどトークイベントが
行われるようで、ご本人もいらしていましたが、私たちは時間の都合がつかず、
作品を拝見だけさせてもらいました。
沖縄の久高島などを訪れて、感じたものを表した作品を、まずは
沖縄の人々に見て欲しいという思いがあるそうです。
そして、常設の丸木位里・丸木俊夫妻の描いた「沖縄戦の図」
こちらは何度見ても胸に迫るものがあります。
4×8.5mに及ぶ画面からは、鬼気迫る人々の叫び、怒り、悲しみが
見る者の足を竦ませる。
「恥ずかしめを受けぬ前に死ね
手りゅうだんを下さい
鎌で鋤でカミソリでやれ
親は子を夫は妻を
若ものはとしよりを
エメラルドの海は紅に
集団自決とは
手を下さない虐殺である」
絵の左隅に描き込まれた二人の言葉。
建物を出て外階段を上ると、6段と23段に分けられた階段があります。
そして、前方の四角の穴からは、6月23日の沖縄慰霊の日の夕日が差し込むように
造られています。
台風が過ぎ、吹き返しの風の強い中屋上へ登り、柵に囲まれた
米軍の基地を見降ろします。
広大な、豊かな緑の地が、戦のための基地の中に囚われています。
この理不尽さにどう向かって行ったらいいのでしょう。
佐喜眞美術館は、そんな普天間基地に楔を打つような形で建てられています。
上から見るとこんな感じで、柵の向こうにはお墓が見えます。
大地も空も海も誰のものでもないけれど、せめて土地を持っていると
自覚するならば、世のため人のために平和のために使って欲しい。