2018/11/15

しぶぬき




織部釉を掛けて焼き上げた器は、釉薬に含まれる銅が酸化して

酸化被膜が出て曇ったような色の緑になってしまいます。

この曇りを除去することを「渋抜き」と言います。


昔は橡(とち)の実のへたを水につけた汁に器を浸けて

曇りをとっていたけれど、

現在は希塩酸などの化学薬品を用いています。

希塩酸を水で3%に薄めた液体に30分ほど浸けます。



冒頭の写真が渋抜き前。

以下の写真が渋抜き後。





なんとなく違いが分かります?

実物を見ると歴然とした差があって、緑がとてもきれいに澄んだ色を

しています。


希塩酸は取り扱い注意で、このあとしっかり真水に浸けて何度も

水を取り替えて希塩酸を抜きます。


昔の人は、橡の実でこの渋が抜けることをどうやって知ったのだろう。

いつも不思議で、いつも尊敬の念を覚えます。



ヒロセさん器お借りしました~。








0 件のコメント:

コメントを投稿