2013/12/30

もちつき

まさにしわす…シワす…師走。
駆け抜けるような日々の中、親戚の家へ妹と一緒に
餅つきに行ってきました。
年末恒例の行事で、もう30年以上続いているそうです。
朝早くから仕込みをして、30キロのもち米を蒸すそうです。
昔ながらの薪窯で、どんどん蒸されていきます。



 
蒸しあがったもち米を年季が入った臼に移して
 
 

 
つく前につぶしの作業があります。いとこの長男が、立派に
役目をこなしていました。腰が入っていて、頼もしい!
 

私も手返しを手伝わせてもらったのですが、腰を入れて返して
いくので、息も絶え絶え…。翌日に腿の裏が筋肉痛になると
言う体たらく。
 
のし餅や、鏡餅にしたり、あんこ、きなこ、大根おろしに
からめたり、つきたてをその場でいただくのは最高な贅沢です。
美味しくて食べ過ぎました。
 
つきあがって、鏡餅を作ろうとしているところ。
意識がもうろうとしています。
 

年に一度親戚のみなに会えて、元気な姿を見られることに
感謝です。
 
いつもありがとうございます!



 

2013/12/24

かなでる




















茨城県は下館へ行ってきました。
ギャラリー 庵で開催中の
金工作家の光本岳士さんの個展を観に行くためです。
 
光本さんとは、3年ほど前に鉄を使った作品の制作をお願いし
たことで知り合いました。
その時から光本さんの作品のファンになり、追っかけのように
展覧会をされる度に作品に触れさせてもらってきました。
 
今回は、「奏でるかたち」というテーマを中心に、たくさんの作品を
展示されていて、ギャラリーの日本間の雰囲気にしっくりと調和して
いました。












 
緑がいっぱいの入り口。
光本さんの作品が迎えてくれます。












   


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
床の間に写る作品の陰も美しいです。
私が好きな渦巻きの作品。
 
 そして、透明で美しい音を奏でる作品。
懐かしいような、なんとも言えず心を振るわす音がします。
 

 

ゆったりとした時間を過ごさせてもらい、すっかり長居を
してしまいました。
光本さんの作品は凛として、強く優しいです。
作品を見るたびに、「作る」気持ちを掻き立てられます。
ご本人も優しくて素敵な方です。
光本さんは最終日の28日(土)にまた会場にいらっしゃいます。
是非、下館にお出かけください!
 
下館には板谷波山記念館もあります。
作品は少ないですが、波山さんが使っていた窯なども展示されて
いて、興味深かったです。
 
眼福!
 
 


2013/12/20

やちむん





















那覇市の壺屋焼の窯元が並ぶやちむん通りに、
「育陶園」はあります。
こちらの窯元の次世代を担う、高江洲尚平さんとは、
陶芸の学校で同級生でした。
同級生とは言っても歳は私の方がかなり上なので、
学生時代は言葉を交わすことはほとんどなく、柱の陰で
弟を見守る姉のような気持ちでした。(こわいですね…)

卒業して8年あまり、まったく音信不通でしたが、9月の
石嶺食堂での二人展をきっかけに、共通の友人である
「庵地焼」の旗野明日香さんを通じて連絡をさせてもらいました。
尚平さんは、今では2児の父として、そして窯元を継いでいく者
として、逞しく土と向かい合っていました。いい顔してたな~。
尚平さんに工房などを案内してもらって、尚平さんのお父上の
当代(6代目)、高江洲忠さんにも会えました。
工房で働く職人のみなさんの顔が、きらきらして、楽しそうで、
本当に良い職場なのだなと感じました。

写真の唐草模様の飯マカイ。
赤土に白化粧土を掛けて、フリーハンドで模様を掻き落としていく
そうです、職人技!
毎日この飯マカイでご飯をいただいています。
小ぶりですが強くて優しい、用の美しさがあります。
沖縄の土、伝統的な釉薬を使って作られる日々の器たち。

毎日沖縄の風を感じて、ご飯もりもり食べて、私もいい器を
作るぞーー!と、元気をもらっています。
食べ過ぎ注意。


















photo  Sota Nakamura

2013/12/16

くじら
















ピノキオがクジラに呑まれてしまう。
クジラのお腹の中で、ピノキオがいい子になろうとしている場面を、
子供のころ読んだ絵本の場面で想い出す。
ピノキオを呑みこむ大きなクジラ、クジラを抱く海。

先日伺った、高橋さんの個展で連れて帰ったバターナイフは、
「くじら」の形をしてるのです。
桜の木で出来ていて、手触りも滑らか。

鯨と言えば。
「酔鯨」と言う土佐のお酒。
20歳のころからすきです。お酒は20歳になってから…。

手遊びに、くじらを作ってみました。
まだ途中です、生の土。



2013/12/14

きゅうす
















万事休す!ってなことではなく、
「急須」を久しぶりに作りました。
陶芸の学校の最終課題は急須でした。
奥が深い、急須道。
 
お茶処静岡県出身なので、お茶は昔からよく飲みます。
静岡のとある小学校では、水道の蛇口からお茶が出るそうです。
それでうがいすると風邪知らずとか。
なんという贅沢。
 
前に作った急須が恥ずかしながら機能的に問題があり、だまし
だまし使っていたのですが、急ぎの制作が落ち着いて来たので
久しぶりに自分のために作ってみました。最近流行の(私の中
だけで)彫を入れつつ。
 
自分で言うのもなんですが、なかなか口のキレもよいし、重さも、
持ち手の具合もイイネ!まだお茶を淹れてはいませんが、よい
のではないかしら。使うのが楽しみです。

バランスの良い急須は逆立ち?します。

 

2013/12/11

きまま


























 
茅ヶ崎のギャラリー「artsea」で開催中の、
高橋晋市さんの個展「木ままなオブジェたち Ⅴ」へ行ってきました。
高橋さんとは、以前一緒に仕事をさせてもらった時があり、その時
からのお付き合いで、何度か個展に伺ったことがあります。
こちらのギャラリーに伺うのは初めてですが、建物がとても素敵で、
1階はオリジナルのアクセサリーなどを販売するショップになっています。
 
高橋さんは、木を素材とした色々なものを作っています。
 

木の良い香りがしました。私は、桜の木で作られたという
バターナイフに一目ぼれして家に連れて帰りました。
 
バターを家で使うことはほとんど無いのに、なぜかバターナイフに
惹かれてしまうのです。
そのバターナイフの紹介はまた後日…。
 
展覧会は12月23日(月)まで開催中です。
高橋さんが確実にいらっしゃるのは、ワークショップのある21日(土)
22日(日)です。とても優しく作品の解説をしてくれますよ。



2013/12/08

はりみ




 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
紅葉した桜の葉が雨のように降ってくる。
葉っぱを掻いていると、かさかさ、がさがさという音が、だんだん耳の
中いっぱいに入り込んできて、頭の中にも入り込んできて、他の音が
聴こえなくなってくる。
それが心地よくて、わざと大きな音を立てて掻いてみたりする。
自然のものが立てる音は、どこか優しい。
 
今の部屋に引っ越してから、掃除機を手放して、ほうきとちりとりと雑巾
で掃除するようになりました。畳の部屋なのでちょうどよいのです。
 
白木屋伝兵衛のはりみを使っています。
厚紙の上に柿渋を塗って仕上げられています。外枠には竹を使用して
あり、一つ一つ職人さんの手で作られています。
柿渋の効果で、静電気が起きにくく、塵がまとわりつきません。
何よりも、手作りのものは使っていてとても気持ちよく、愛おしいです。

白木屋伝兵衛のほうきはちょいと手が届きませんでしたが、いつか
側に居てほしいものです。こちらのほうきは別のところで購入。




 
 
 
 


2013/12/07

かまだし


















先日の還元焼成の窯出しをしました。
「ほぉ~」、「へぇ~」と言いながらどんどん出していきます。
窯焚き後、2日ほどかけて冷まして、開けた時は55度くらいでした。
もう大丈夫。
焦るあまりに高温のまま開けてしまうと、冷め割れと言って、急な温度
変化に耐え切れず器が割れてしまうことがあります。
落ち着いて落ち着いて。
 
いや~。みなさん力作揃いで。一つ一つ全部ご紹介するには大変な
頁数(って言うのかしら?)を割いてしまうので一部だけご紹介。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
陶芸教室HPの、今月の逸品に選ばれた作品。
絵付けと桃色の窯変が調和してなんとも上品で素敵。
 
 
 











5つ揃いで作るのは大変でしたでしょうが、松灰の掛け方も慣れてきて
とってもよい雰囲気。ろくろ上手になりましたね~。しみじみ。













何度かのやり直しを乗り越え、すてきなシダ模様ができました。
 
 
生徒のみなさんは他の人の作品をほめまくって、いいな~って
言いますが、あなたの作品が素敵ですよ。ほんに。
 
さぁ、次は何を作りましょうか。

2013/12/05

ぬかとこ
















梨木果歩さんの小説、「沼地のある森をぬけて」を数年前に読んだ。
その物語は、先祖伝来のぬか床を主人公の女性が受け継ぐところ
から始まる。
全体の話の内容は忘れてしまったけれど、ぬか床から卵が生まれ、
その卵から「カッサンドラ」と言うのっぺらぼうの三味線弾きの女
が生まれたり、焼鮭の骨を入れておいたらいつの間にかなくなって
いたり、毎日掻き混ぜないと叫び声をあげたり、ぬか床が生きてい
ると言うことを、やっぱり…と感じたものだった。
陶芸教室の一品持ち寄りの呑み会で、ぬか漬けを持って来てくだ
さった生徒さんから、あまりに美味しくてぬか床を分けてもらい、
日々向き合っていた時だった。
それから、煮干しを与えてみたり、昆布を与えたり、野菜を美味しく
漬けるために、育ててきた。
話しかけてみたりもする。でも、答えはない。
答えは、漬けられた野菜の味。

「カッサンドラ」はまだ生まれていない。

育て始めの頃、ちょうどいい容れものがなく、自分で作りました。
もう、7年前くらいかしら。
その間、引っ越しを経験したり、危篤状態があったり、色々乗り越え
今、とても美味しいです。ぬかの良い香りがします。

この時季はかぶがおいしいです。



 

2013/12/03

ぎんざ





















銀座に行ってきました。
阿曾美術で開催されている、西岡良弘先生の個展に行くことが主な
目的です。
西岡先生は佐賀県唐津の陶芸家です。
以前に阿曾美術のみなさんと、唐津の西岡先生の工房へおじゃまし
て、器を作らせていただいたりしました。緑に囲まれた素敵な工房で
蹴ろくろも体験しました。
今回も素敵な作品がたくさん展示されていて、新しい試みやいぶし
銀のような技を拝見しました。
「備前唐津」というものを初めて知り、その渋く落ち着いた金属質の
肌が、とても美しかったです。勉強になります!
西岡先生のお茶碗で抹茶を点てていただき、ほけっとさせてもらい
ました。阿曾美術のみなさん、いつもありがとうございます。
 
そして阿曾美術を後にして、同じ銀座にある奥野ビルという、古くて
味のあるビルのギャラリーにはしごです。






















このビルは1932年に竣工したということで、とても趣のある佇まいを
しています。画廊などギャラリーがたくさん入っていて、それぞれを見
ていたら、1日あっという間に過ぎそうです。
今回は、画廊香月で開催されている、堀越千秋さんの陶展が目的。














古い映画に出てきそうなエレベーターで6階まで昇ります。
 ドアの開閉は手動式なんですよ。






















埼玉県の方に窯をご自分で築かれて焼いた、個性的な器を眺めて
いたら、画廊の方が日本酒を取り出してこられ、作品であるお猪口
でお酒を呑ませてくださると言う。
使い心地を感じさせてくれると言うのです。
なんて素敵なこころみ!勿論いただきました。えへへ。
そうしてお話しているうちに、実は近所の画廊で、今日から堀越さんの
絵画の個展も開催されているというではないですか。
それは行くしかない、と言うことで、画廊の方が地図をプリントしてくだ
さって、向かうことにしました。
ここでもスタッフの方に親切にしていただき、ありがとうございます。
 
堀越千秋さんは、画家であり、エッセイストであり、舞台美術を手掛け
たりと多才な方です。
そしてカンテ(フラメンコの歌)の名手でもあるのです。
わたくしめも20年前くらいにフラメンコを学んでいたことがあって、その時
購読していたフラメンコ雑誌に堀越さんが文章を書いていたり、挿絵を描
かれたり、勿論カンテでも実力があって有名な方なので、お名前はよく耳
にしていました。
そうしたら、焼き物も始めていらっしゃると言うことを知り、驚いていた
ところ、画廊香月でやきものの展覧会があるという情報を得た訳です。
 
 










 
永井画廊での展覧会は、堀越さんが手掛けている全日空の機内誌である、
「翼の王国」の表紙画の原画を中心としたものです。
鮮やかな色彩、踊っているような人物、景色。
沖縄を題材にした絵が多かったような気がしました。
シーサーや、やちむん、ハーリーなど。沖縄だいすきな私はそれだけでも
嬉しかったです。
元気が出る絵でした。
 
銀座、満喫。

2013/12/01

ひょうちゃん




















横浜名物崎陽軒のシウマイ。
シウマイに付いてくる醤油の瓶。これこれ。昔からありますね。
先日生徒さんから差し入れでいただいた時、しみじみ眺めてみました。
これ、どこで作っているんだろ。型物だよなぁ。それにしても 表情が色々
あって面白いなぁと、むらむらと知りたい気持ちが湧いてきて、いやはや、
インターネットってすごいですね。
検索したら出てきました。作っているところが。
 
ヤマキ電器株式会社さんですって。
この醤油差しが「ひょうちゃん」って名前だと言うことも初めて知りましたよ。
絵柄は90種類もあるんですね。へぇ~。
セラミックスの製品を高い技術力で生産している会社のようです。
ひょうちゃんは、「磁器」です。
私が普段作っている器は「陶器」です。
この二つの大まかな区別は、原料の違い。
「陶器」は、陶土とよばれる粘土、土が主な原料。
「磁器」は陶石と呼ばれる岩石が原料。
 
ひょうちゃんは、磁土をどろどろにした泥漿(でいしょう)と言うものを型に
流し込んでつくる鋳込みと言う方法で作られます。
 
日本でも有数の窯業地、愛知県の瀬戸ならではだなぁ。
 
それにしても面白い表情。
会話が聞こえてきそう。