2015/03/21

もほう









左が見本で
右が素焼き
前の制作し
た写真です



もほーーーーー!!

「模倣」のお話。

陶芸教室の生徒さんから、急須の蓋だけ割れてしまって、同じものを
作って欲しいとのご依頼をいただいて早半年。

蓋だけ作ればよかったのかしら?それとも全部?

それさえ忘れてしまうくらい月日が経ってしまい、この度やっとのことで
制作を始めました。

なぜ、こんなにも時間が掛かってしまったか。

これまでにいただいたご注文は、
「サイズはこのくらいで、こういう用途で使いたい。
 デザインはお任せ」というものでした。

もしくは、私の作った器を追加でご注文。

「お任せ」は、ご注文くださったかたが使いやすいように、気にっていた
だけるように、どういうデザインにしようと考えたりして、とっても楽しく、
わくわくして、すぐにでも手を、心を動かしたくなるのです。

「追加のご注文」は、自分で思うままに作ったものの追加なので、
割と心は軽いです。

しかーーし!

他の人が作ったものを、全く同じように再現する。「模倣」は、今まで
ご依頼もなかったし、今回ご依頼をいただいて今日まで心も身体も動か
ないものでした。
ゴメンナサイ。

それでも、あまりにもお待たせするのも申し訳ないので、春の兆しとともに
少し心の軽くなったこの時に、一念発起で制作に取り組み始めました。
(もっと早くにしないさいよ)


そして、今回作ってみて感じたことは、もとの急須を作った人、多分作家では
なく、職人であろう(銘が無かったから)その人は、手練れじゃのぅ、という
ことです。

いとも簡単にちょちょっと作ったかに見えるけれど、実際作ってみたら
なかなか大変でしたよ。



















注ぎ口のこの溝は重要なところですが、もー、泣きたくなりました。
もとの急須の溝は、迷いなく、よい深さと幅で掘られていました。

焼きあがるまでは試すことの出来ないのでどうなることか…。

それでも、作っている時にもとの作者のことを思い、その技に
感動したり、人となりを想像したり、作る前には分からなかった楽しさが
ありました。

陶芸だけでなく、工芸でも、絵画でも、昔の名品の模倣をするという
ことがありますが、技の上達にはよい訓練になるのだなぁと思いました。


「模倣品」でお金儲けは、ダメですけどね。


4 件のコメント:

  1. ほほう

    わしも新人時代、トキオの絵師のバッタもん描かされたんじゃが、ええ勉強にゃぁなったのぅ。タッチや画材
    ほぇでも、それでカンサイイラストレーションの有り様に、、、

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    1. そんな時代もあったのね。

      模倣の先に、なにがあるのだらう。
      まほう

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    2. まほうは言い過ぎかも?

      いつまでももほうから抜けられんヤツぁあほう
      ほぇで金儲けするヤツぁいほう
      菊練りちゃんとしとかんときほう
      ま、その辺がさほう
      上手ぉこなしゃぁしほうと
      わからんヤツぁちほう
      で、とほうにくれる
      むほうにゃぁならんよぉに
      そんなこんなをまとめるのが和の方  ってか?

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    3. うほう!
      言葉の面白きことよ。

      あほうにならんようにもほうはほどほどに。

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