2014/12/25
にえべ
「窯印」「銘」などと呼ぶ、器の高台裏や脇に記される、作った場所や
人を特定する記号。
色々と変遷してきましたが、最近は「Nieve」という文字を記しています。
「Nieve(ニエヴェ)」とは、スペイン語で「雪」という意味です。
フラメンコに憧れて、フラメンコを一生懸命学んでいたころ、東京赤坂に
あるスペイン料理屋で働いていました。
その時に、料理長に「セニョリータ ニエヴェ!」と呼ばれていたことも
ありました。
私がこの世に生まれた時、雪のように色が白いので、「ゆき」と名付けて
くれたと親から聞きました。
真夏に生まれているのに…。
スペインとの関係はまた次回お話したいと思いますが、銘を刻むということは
「自己顕示ということではなく、責任の所在を明らかにすることです」
と、ある陶芸作家が言っていたけれど、私もそのつもりで、一つ一つ刻んでいます。
あ、釉薬の関係で時々見えなくなってしまう時もあるのですが、作った器には
全て銘を入れるようにしています。
銘が入っていない器もありますけれど、
お手持ちの器を裏返して、銘を見てみるのも面白いですよ。
2014/12/19
いくとうえん
「伝統は 超えるためにある」
伝統工芸を学んだ京都での2年間。
「伝統」ってなんだろうと考えて、今も考え続けているけれど、
10年以上陶芸を続けてきて想うことは、守るだけではなくて、作り手が
生きている時代の中で感じたもの、時代の中でいのちが輝くものを
作り続けるということ。
時代に迎合するということではなく、その時代と先代を結ぶものを作り、
次の世代へ渡す何かを作り続けること。
京都伝統工芸専門学校(現:大学校)で同級生だった、沖縄の壷屋焼
窯元「育陶園」 の次代を担うために修行中の尚平くんが、個展の
最終日に来てくれました。
当代、お父上の忠さんもお越しくださいました。ありがとうございます!
その時に、尚平くんがぐい呑みを気に入って買い求めてくれたのは
本当に嬉しかったなぁ。
「自分で器を買って、使ってみることが大事だと思うようになったのです」
と、尚平君は言った。
人が働いて得たお金を使い、自分が作ったものを買っていただける。
そのことの有難さと尊さを改めて感じました。
しかも、同じように器を作っている人に買っていただけるなんて、
緊張するけど身が引き締まります。(ダイエット)
たくさんの職人さんやスタッフのかたを導き、ともに働いていくこれからの
尚平くんには、たくさんの課題があるでしょう。
それでも、彼の顔を見ていたら、とてもきれいな空気を感じました。
周りに感謝していて、なんくるないさ~の塩梅もあり、明るい光をその
笑顔の中に見つけました。
もっと、もっと、わくわくしよう。
冒頭の写真は、育陶園に行ったとき、とっても惹かれて家に連れて帰った
器です。
釉薬を掻き落としてできた面の、彫の生命力が好きです。
伝統を守り、超えて行くために、前へ進んでいるのだね。
2014/12/16
ぱすた
尾中先生は、月刊ゴルフダイジェストの表紙を18年間(だっけ?)
描かれたりと、絵描きを生業とされていますが、、神戸で週1回、
場所を借りてパスタ屋に変身していたりします。
「パスタ屋 Tetz」
場所は今までに何度か変わっていて、一番最初のお店には一度
行ったことがあります。
そして、色々な場所で、出張パスタ屋としても腕を振るっていて、
沖縄個展の打ち上げの時も作ってくれました。
千秋楽の前日も、東京から来てくれた友人とともに、
尾中先生のパスタをいただきました。
そして写真のパスタは、千秋楽の次の日、瑞慶山さんの三線教室で
宅配で送る器の梱包作業をさせてらもらった後、お昼に作ってくれた
ものです。
豚とズッキーニの白いの
おいしかったーーー!!
「なんかおいしい」
と、いつも言われるそうですが、たしかに「なんかおいしい」。
シンプルで、素材がよくて、愛情がこもっているから?
しかも、自作の器に盛ってもらいありがたき幸せでございます。
いいねぇ。←自画自賛
この器は瑞慶山さんのところへ奉公に出ましたので、瑞慶山さんに
この器で食べていただきました。
実際に使ってくださっているところを見られるなんて幸せだなぁ。
尾中先生のパスタも3連チャンでいただけて口福でした。
ありがとー!
ごちそうさまでした。
2014/12/13
ぶーげんびりあ
20代はじめのころ、まだ沖縄へ足を踏み入れていないとき、
沖縄のことさえほとんど知らないとき、沖縄出身のアーティスト
Cocco の歌に出会って衝撃を受けた。
それは「カウントダウン」という曲で、静かなイントロから入って
なにやら不穏な歌詞が続く導入部分、そしてサビになって急に
痛々しく激しくアブナイ歌詞とメロディになって、思わず振り返っ
てしまうほどだった。
ライブ好きな私は、ご多分にもれずCoccoのライブにも出掛けた。
1997年、赤坂BLITZでのライブだった。
白いノースリーブのワンピースを着て、裸足で頭をぶんぶん振りながら
歌うその姿に息を呑んで立ち尽くした。
そしてCoccoの歌声は心臓をぐいっと掴んで揺さぶるような、切実で、
哀しいようで、強く、自分の中にある傷をえぐられるようだった。
「カウントダウン」などが収録された1stアルバムが
『ブーゲンビリア』 という名前だった。
それからずっとブーゲンビリアが心の中で咲いていて、時折見かけると
どきりとして立ち止まるほどだったのに。
あのピンクのひらひらした花のような部分は、花ではなかったなんて!
先日沖縄で教えてもらって初めて知りましたよ。
あの色づいた部分は葉っぱなのですね。
白い小さなものが花なんですね。
今頃!
20年近くかかりましたよ。
知らないことがまだまだたくさんあるんだなぁ。
あとどれくらいのことを知ることができるのだろう。
2014/12/11
かたうむい 3
「片ウムイ」展が終わって1週間以上が経ち、日常の中に沖縄での
日々のカケラがキラキラと、時折目の前に降り注いでいます。
個展に来て下さったかたの名前を並べて、ありがとうってつぶやいても、
言葉にできない「ウムイ」が多すぎて、もうそれはやめた。←メンドウになった
訳ではありません。
展覧会には来られなくても、いつも応援してくれているかたたちの
名前も並べたいくらいで、そうしたらシルクロードよりも長くなって
しまうから(なんてね)。
たくさんのかたに来ていただいた日々を想い返しつつ、
個展最終日のことをば。
個展開催前から宣伝広告してくれたり、開催中もお世話になった
瑞慶山先生率いる三線チーム愛風(かなかじ)さんが、
最終日の夜に三線ライブをしてくださいました。
楽しく、優しく、強い音と声に、今回沖縄で人生初の個展を
させてもらえた幸せと、個展開催8日間のウムイよみがえり、
肝がいっぱいになりました。
いや~、かっこよかった。また聴きたい!
初めて琉装をさせてもらい、「涙そうそう」を一緒に演奏させて
いただきました。手に汗握ったずら~。
本当に、ありがとうございました!!
育陶園の忠さんや、尚平くんも来てくれました。
育陶園のことは、また後日書きますね。
会場を快く貸してくださった「あじまあ」の女将さんと店長さんには、
毎日心使いをいただき、声をかけていただきました。
お料理、本当に美味しかったです。
三線ライブの後は、パスタパーリィー!
28日から沖縄入りし、出来の悪い弟子の個展を見に来てくれて、
色々アドバイスしてくれた尾中先生が、腕を振るいました。
3種類作ってくれて、全部で20人前くらい?
は~、美味しかった~。
写真を撮る習慣がなくて、映像でお見せできなくてごめんください。
三線の門下生のみなさんや、りょうくん、えりさんたちも交えて
千秋楽の夜は更けていきました…。
みなさん、本当にありがとうございます!!
「片ウムイ」が届いたような、そんな心持です。
白雲のごとに見ゆるあの島に飛び渡てみぶさ羽の有りとて
心を一瞬で持って行かれた「白雲節」の一節。
「片ウムイ」の案内ハガキはそのイメージなのでした。
2014/12/08
すいちゅう
個展開催中のお昼休みに、沖縄県立博物館 で開催中の
水中文化遺産展を見に行ってきました。
琉球列島を中心とした、日本全国津々浦々の海域で沈没した船の残骸や、
積荷を展示してあります。
遺跡や遺産というと、陸上のものだけを想像しがちですが、海に囲まれた
日本ならではの豊かな交易や人々の生活などが、海に沈んだカケラたち
から伝わってきます。
器の高台の山!
波にさらされて、断面も丸くなっています。
中国陶磁のカケラから、技術の高さを感じられます。
むー、面白い。
展示ガラスに額をゴンゴンぶつけながら見ていたら、展示の最後の方で
「いろは丸」の文字がっっ!!
幕末好きとして体温が一気に上昇しましたとも!
坂本龍馬率いる海援隊が、伊予大州藩から「いろは丸」を借用して、
海運業に乗り出し、長崎から大阪へ行く途中の広島県あたりの海域で
紀州藩の大型船に追突されて沈んだものです。
ピストルやワイン瓶のカケラ、コーヒーカップのカケラなどもあり、船中で
龍馬が使ったの?なんて想像したりして、展示ガラスは私の額の油と鼻息で
曇りましたよ。
龍馬が賠償を主張したミニエー銃400丁について、部品や弾薬など、
全く見つかっていないということです。
龍馬、おんし、まっこと山師じゃき!
ハッ、鼻息が荒くなってしもうた。
幕府の蒸気船「開陽丸」から引き揚げられたものもありました。
とにかく、面白い展示でした~。
水中から揚げられた陶器のカケラを実際に触ることもできて、
釉薬の厚みや、高台の作り、素地の質感なども感じられて
わくわくしっぱなしでした。
巡回展はないのかなぁ。
また見たいなぁ。
玉栄さん、展覧会情報ありがとうございます!
お近くの方、沖縄へ行く予定のある方、足を運んでみてくださいね。
2014/12/07
ぼうねんかい
「片ウムイ」報告は一旦お休みしまして…
恒例の、山手陶芸教室忘年会の報告です。
陶芸教室が10周年の節目ということで、たくさんの生徒さんが
参加してくださいました。
今回は、オーナーの率いる茶道教室の方も参加してくださり、
盛り上がりました。
今回も、一品持ち寄り方式で、色々な美味しい料理が並びました。
山手陶芸教室バンドの演奏も毎回聴いていただいています。
無理やり?
今回から二胡ができる生徒さんも加わり、パワーアップ!
「涙そうそう」「安里屋ユンタ」などを演奏しました。
豪華賞品?が当たるビンゴ大会も!
みなさん真剣です。
熱くなって立ち上がっているかたも…あ、リーチなんですね。
オーナー作、干支の香合と唐津茶碗がセットでプレゼント。
来年の干支、未年の方が見事手に入れました!!
10周年記念ということで、結局は全員に唐津茶碗が贈られました。
10年の間に色々ありました。
生徒さんもそれぞれの事情で通い続けられなくなったり、
また戻ってきてくださったり、10年間通い続けてくださったり、
たくさんの出会いをいただきました。
本当に良いかたばかりで、生徒さんに支えられてやってこられたの
だと思います。
みなさんと笑顔で会えて、「また来週!」と言えることに感謝します。
みなさん、ありがとうございます!!
また来週~。
2014/12/05
かたうむい 2
前日の22日の夜から沖縄入りをして、その夜は瑞慶山さんたちと、
川崎から来てくれた相棒と一緒に「だいこん」で前夜祭。
泡盛をしこたま呑んで、初日の朝を迎えました。
会場となる「あじまあ」の開店前に、梱包を解いて、作品を並べる。
二日酔いの頭でよく出来たと思います。
手伝ってくれた相棒に感謝。
お花を贈ってくださったみなさん、ありがとう!
会場が華やかになりました。
この日は3連休の中日とあって、お店もお昼からお客様がどんどん
いらっしゃいます。
埼玉から、高校時代からの友人が家族3人で来てくれました。
かずみちゃん、ありがとね!
東京からも、友人夫婦が来てくれました。
わたなべくん、めぐみちゃんありがとう!
尾中先生のご友人で、昨年の石嶺食堂二人展での私の器を
ご夫婦で使ってくださっているカンスケさんも駆けつけてくださいました。
ありがとう!
お食事に来られて、たまたま展示作品を気に入ってくれて、
ご購入下さったかたもいらっしゃいました。
ウレシーーー。
ミンサー柄タンブラーを、みんさー工芸館那覇営業所の方が
見にきてくださったのですが、今回は釉薬や土の収縮度合いの
違いから計算外の目には見えないヒビが入ってしまい、液体を
入れると浸みてきてしまうので、展示だけとさせていただきました。
こちらは作品を観てのご購入希望の方々から多くの注文をいただき、
追加制作をしていく予定です。
夜の部も、以前に宿泊したゲストハウスのマスターが来てくださり、
一緒に来られていた女性から、今度読谷にあるギャラリーの方に
紹介してくださる約束をして、一緒に泡盛の盃を傾けました。
その後は、瑞慶山さんの三線教室におじゃまして、門下生のみなさんや、
相棒、わたなべくん、めぐみちゃんも交えて島(泡盛)を浴びました。
初日からたくさんの出会いに恵まれ、感謝!!
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