2015/01/19

さきがけ

















梅は~咲い~た~か  桜はまだかいな~♪


梅の花が咲き始めました。
「梅是百花魁」 うめこれひゃっかのさきがけ

百花繚乱の春を呼ぶ花ですね。

夏生まれの私は冬に弱く、へなへなしそうですが、寒さの中に
凛と咲く花を見ると気持ちがシャンとします。

桜の蕾も未だ固いながらもついてきています。

冬は花が長持ちしますね。
この花はお正月からずっと今まで元気に咲いています。
葉ボタンと菊。


























こちらは華道をしている友人から、週替わりでお花を替えるので
前回のお花がまだ元気だからと持ち帰ってきたものをもらって、
自己流に花器に挿したもの。(生けたとは言えない…)




チューリップもスイートピーも春を連れてきてくれる。

まだこれから寒さは続くけれど、元気にいこうっと。


2015/01/13

つぼ

















菊池寛実記念 智美術館へ行ってきました。

昨日で残念ながら終了してしましましたが、
「岡部嶺男 火に生き土に生き」 という展覧会を見てきました。

加藤唐九郎の長男で、小さい頃から器作りを間近に感じていたのでしょう。
岡部嶺男の作品をこんなにまとめて見るのは初めてでしたが、力強さを
感じるもの、優しさが漂うもの、とにかく彼は志野に、黄瀬戸に、織部に
青瓷など、色々な釉薬や技法を使っていて、それぞれの魅力がとても
生き生きと感じられました。

「永仁の壺事件」 の壺の作者が実は岡部嶺男だったと、今回の展覧会で
初めて知りましたよ~。
加藤唐九郎だと思っていました。

ともかく、重要文化財と認定されるまでのものを作る技術があるということで、
その腕の凄さは伝わりました。

圧倒的な技術力。
ふぅ~。

精進あるのみじゃ!





















六本木のビルがすぐそこに見えます。
気品のある建物です。



2015/01/11

せっこう


















同じ形のものをたくさん作りたい時に、原型を作って石膏で型を
とります。

水に石膏の粉を少しずつ入れて、ほど良い硬さになるまで混ぜて、
原型を入れた容器(粘土で作ったものなど)に流し入れて固まるまで
放置。

この過程は時間との戦いなので写真は撮れませんでしたが、
固まって、原型を取り除いた後の石膏型が上の写真です。





















片栗粉を取り出してどうするのって、料理をするわけではありません。
石膏型に粘土を埋め込んで取り出す時に、石膏型から粘土が外れ
やすいように片栗粉をまぶすのです。(やっぱり料理みたいですね)
















ぎゅっと粘土を押し込みます。

















型から外した粘土たち。

これは何ですかって?

数年前から毎年参加させてもらっている、ボタン展のための
作品なのですが、展覧会まであと1ヶ月をきってまだまだ
工程がたくさんありまして…。

え?間に合うのか?
私にもわからなくなってきました。あはは。うふふ。

なんくるないさ~。

どんなボタンになるか、お楽しみに!(自分でもわからない楽しさ)




2015/01/04

ぞうがん



 
本日より、粘土初めです。
 
「象嵌(ぞうがん)」の技法が好きで、以前より使っていますが、
昨年の沖縄個展の時にミンサー柄を象嵌したところ、気に入って
くださる方々がいらっしゃって、ご注文をいただき作っています。
 
まずは、完全に乾燥する前の素地に模様を彫ります。(上の写真)

次に土台の粘土(黒泥土)と違う色粘土を模様の部分に埋め込みます。
 


















はみ出た粘土を削ると、埋め込んだ模様がはっきりと表れてきます。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この、削っている時が最高に楽しい。
模様が浮かび上がってくることにわくわくします。ムフ。
 
生徒さんがこの作業をしていると、奪って削りたくなるほど…。
 
器の上に描いていく絵付けと違って、素地の中に埋め込んでいって、
一体となる感覚がすきなのです。
刺青みたい?
 
織物の柄ということもあって、織り込んでいく作業に近づきたいと
いう気持ちもあります。ちょっと違うけれど。
 
 
焼く前は色がはっきりしていないところもありますが、焼くと色が
濃く浮かび上がってきます。
 
最後にスプーンの裏で表面を磨いて、埋め込んだ粘土を〆て、
はがれないようにします。
 
無事に焼き上がりますように。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
磨いた後
 
 
 
 
 

2015/01/03

ひつじ
















あけましておめでとうございます!


今年もよい器を作れるよう精進し、またみなさんに見ていただける
ように企画していきます。

みなさんの一年が、素晴らしい日々となりますように。
いつもありがとうございます!



















「白ヤギさんからお手紙ついた
 黒ヤギさんたら読まずに食べた
 しかたがないのでお手紙書いた 
 さっきの手紙のご用事なぁに」

(以下、『白』と『黒』を入れ替えて延々と続くよどこまでも)


今年はひつじ年なんだけど、この歌が頭の中を廻っています。


2015年もよろしくお願いします。


2014/12/25

にえべ















「窯印」「銘」などと呼ぶ、器の高台裏や脇に記される、作った場所や
人を特定する記号。

色々と変遷してきましたが、最近は「Nieve」という文字を記しています。

「Nieve(ニエヴェ)」とは、スペイン語で「雪」という意味です。

フラメンコに憧れて、フラメンコを一生懸命学んでいたころ、東京赤坂に
あるスペイン料理屋で働いていました。

その時に、料理長に「セニョリータ ニエヴェ!」と呼ばれていたことも
ありました。

私がこの世に生まれた時、雪のように色が白いので、「ゆき」と名付けて
くれたと親から聞きました。
真夏に生まれているのに…。

スペインとの関係はまた次回お話したいと思いますが、銘を刻むということは

「自己顕示ということではなく、責任の所在を明らかにすることです」

と、ある陶芸作家が言っていたけれど、私もそのつもりで、一つ一つ刻んでいます。

あ、釉薬の関係で時々見えなくなってしまう時もあるのですが、作った器には
全て銘を入れるようにしています。

銘が入っていない器もありますけれど、

お手持ちの器を裏返して、銘を見てみるのも面白いですよ。





2014/12/19

いくとうえん





















「伝統は 超えるためにある」

伝統工芸を学んだ京都での2年間。
「伝統」ってなんだろうと考えて、今も考え続けているけれど、
10年以上陶芸を続けてきて想うことは、守るだけではなくて、作り手が
生きている時代の中で感じたもの、時代の中でいのちが輝くものを
作り続けるということ。

時代に迎合するということではなく、その時代と先代を結ぶものを作り、
次の世代へ渡す何かを作り続けること。

京都伝統工芸専門学校(現:大学校)で同級生だった、沖縄の壷屋焼
窯元「育陶園」 の次代を担うために修行中の尚平くんが、個展の
最終日に来てくれました。
当代、お父上の忠さんもお越しくださいました。ありがとうございます!

その時に、尚平くんがぐい呑みを気に入って買い求めてくれたのは
本当に嬉しかったなぁ。

「自分で器を買って、使ってみることが大事だと思うようになったのです」

と、尚平君は言った。

人が働いて得たお金を使い、自分が作ったものを買っていただける。
そのことの有難さと尊さを改めて感じました。
しかも、同じように器を作っている人に買っていただけるなんて、
緊張するけど身が引き締まります。(ダイエット)

たくさんの職人さんやスタッフのかたを導き、ともに働いていくこれからの
尚平くんには、たくさんの課題があるでしょう。
それでも、彼の顔を見ていたら、とてもきれいな空気を感じました。
周りに感謝していて、なんくるないさ~の塩梅もあり、明るい光をその
笑顔の中に見つけました。

もっと、もっと、わくわくしよう。

冒頭の写真は、育陶園に行ったとき、とっても惹かれて家に連れて帰った
器です。
釉薬を掻き落としてできた面の、彫の生命力が好きです。


















伝統を守り、超えて行くために、前へ進んでいるのだね。