2019/08/26
りーち
河井寛次郎 作
「リーチ先生」 原田マハ 著
イギリス人陶芸家、バーナード・リーチ(1887年~1979年)を
題材にした、史実に基づいて書かれた小説の紹介です。
実在の人物、陶芸家の濱田庄司や河井寛次郎、富本憲吉、
民芸運動の柳宗悦、白樺派の志賀直哉や岸田劉生との交流を、
架空の陶芸家親子を通して語る手法で物語は進んでいきます。
民芸運動のことから、バーナード・リーチのことは知っていたけれど、
この小説によって、はるばるイギリスから日本へやってきて、
どうやって陶芸へ辿り着いたかということがわかりました。
西と東の文化を結び、日本とイギリスの架け橋になろうとして、
本当にそのように生きたリーチ先生の姿に感動しました。
日本語もわからない状況で、高村光太郎の紹介のみで東京へやってきて、
たくさんの良き出会いを得て陶芸家になっていくのです。
イギリスに帰り、セント・アイヴスに、濱田庄司とともに
日本式の登り窯を作り、「リーチ・ポタリー」という
工房を開いてよき器を作ろうと土と向き合い続けた人生。
今でも「リーチ・ポタリー」はセント・アイヴスに残っているそうです。
虚実ないまぜになっているのですが、陶芸に向き合う情熱や、
仲間との温かい交流が胸に迫ってきました。
初めて土に触った時や、陶芸の道を目指すと決めた頃のこと、
陶芸の学校へ通っていた時のことなどが心に浮かんできました。
いつもよい本を紹介してくれる方に、感謝です!
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