2020/06/11

にっしょう





久しぶりに美術館へ行ってきました。



観たかった展覧会も休館のまま会期を終えてしまったり、

展覧会自体中止になってしまったりと残念なことでした。



東京ステーションギャラリー

「神田日勝  大地への筆触」



こちらの展覧会も、4月18日からの開催でしたが延期になっていて、

6月2日から再開するということでしたので、やっと出かけることができました。



朝の連続テレビ小説「なつぞら」で、画家の青年が出てきました?

その役のモデルとなった人が「神田日勝」です。

私はドラマは見ていなかったのですが、割と忠実に描かれていたようですね。



東京の練馬で生まれた神田日勝の一家は、1945年、日勝が7歳の時に

拓北農兵隊(戦災者集団帰農計画)に加わり、北海道に渡ります。

入植地に着いたのは終戦の前日で、その後は国からの援助もほとんどなく、

開拓生活は困窮を極め、苦難の連続だったと言います。

そんな中で絵を描き始め、展覧会に入選するも、日々の過酷な労働の中で

絵を描き続け、とうとう32歳の若さで過労により病死してしまいます。



農作業のための馬とともに生活し、その馬を多く描きました。

最後まで書き続けた馬の絵は、未完成のまま残りました。



生活とともにあって、力強く、生きていくためにどうしようもなく

必要なものだったという、日勝の言葉を引用すると



「僕にとって絵を描くということは、

 排泄行為と同じかな。

 我慢できなくなったら漏らしてしまうだろう。

 あれと同じかもしれないな」



でも、なんだかとても静かな印象があった。

原色の油絵の具をギャンギャンと塗り付けたような作品もあったけれど、

じっと自分の人生や生活に根ざしたものを描いているからなのか。

とても惹かれるものがありました。




それにしても、この状況下なので入場が予約制で人数制限があり、

平日ということもあって人が少なく、とっても快適に観ることができました。


最近の美術館での展覧会はあまりに混んでいて、人を見に行っているよう

だったので、こういうシステムはいいかも。



と、思いつつ、思い立った時にフラッと出かける自由さも捨て難し。





「結局、どう云う作品が生まれるかは

 どう云う生き方をするかにかかっている」  神田日勝





色々な展覧会にまた出かけたいな~。





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